ギランバレー症候群はうつるのか?ペルーで集団感染?入院期間や治療法、初期症状

南米ペルーで今異変が起こっています。

首都リマを中心とする北部の5つの県で、手足の筋肉に力が入らなくなる難病「ギラン・バレー症候群」の患者が急増しているとして、政府が「健康上の緊急事態宣言(Health Emergency)」を出したのです。

それを受けて、トレンドにも「ギランバレー症候群」が登っており、検索ワードにも「ギランバレー」が上位に来ているのですが。

一緒に検索されている他の語をみてみると「うつる」「入院期間」など、検索してい人の不安な気持ちも垣間見える感じになっていました。

そこで、今回は『ギランバレー症候群はうつるのか?ペルーで集団感染?入院期間や治療法、初期症状について調査!』と題しまして、ギランバレー症候群についていろいろ記事にしたいと思います!

難病のギランバレー症候群(GBS)とは

【ギラン・バレー症候群】

末梢神経に障害が生じるために、手足のしびれや筋力の低下、痛みなどの症状が現れる疾患。

発症率は、国内統計では年間10万人に一人程度といわれている「難病」で、発症すると手足に力が入らなくなり、まひが全身に急速に広がって、最悪の場合、死に至ることもあります。

理由は明らかになっていないが、日本では「加齢とともに増加する」傾向にある疾患であることがわかっている。

また、やはり原因は解明されていないが、なんらかの「感染症」がきっかけで発症すると考えられている。感染症に罹患した3〜4週間後に発症する方が多い。

「末梢神経」とは全身に分布している神経のことで、身体の動きを司る”運動神経”、感覚を伝える”感覚神経”、循環器や消化器、呼吸器などの活動を調整する”自律神経”から成り立っています。

ギラン・バレー症候群とは、この末梢神経に異常・障害が生じるために、脱力、しびれ、痛みなどの症状が現れる疾患です。

ギランバレー症候群(GBS)の原因は何?

上記しましたが、ギランバレー症候群はまだ詳しいメカニズムまでは解明されていませんが、どうもある特定の「感染症」にかかった3~4週間後に発症すると考えられています。

実際に、このような「先行感染」がギラン・バレー症候群の約8割を占めているようで、そのきっかけとなる感染症には「呼吸器感染」が多く、最も多いものは風邪の一種といわれています。風邪をひいた3〜4週間後にギラン・バレー症候群を発症する、といったケースが多いようです。

また、1割程度は、嘔吐や下痢などの症状が現れる感染性腸炎である「カンピロバクター腸炎」が原因となって発症しているともいわれています。

蚊がウイルスを媒介する「ジカ熱」と関係があるとも指摘されていて、2016年のフランスの研究では、事実、患者の血液から「ジカウイルスの陽性反応」が確認されており、この患者はギラン・バレー症候群と診断される前に、先行してジカ熱特有の症状を発症していたことが報告されています。

なぜ感染症が原因となりギラン・バレー症候群を発症してしまうのかはまだ明確には解明されていませんが、なんらかの「免疫システム」が関係していると考えられています。

特定の細菌やウイルスに感染し、この免疫システムが活発になり、免疫システムが誤って、細菌やウイルスではなく「自らの神経」を攻撃してしまった結果、ギラン・バレー症候群の発症につながると考えられています。

ギランバレー症候群、ペルーで集団発生

そのギランバレー症候群が、南米のペルーにおいて、首都リマなどの複数の都市で集団発生し、同国政府は「健康上の非常事態」を宣言する事態になっているのです。

2019年に入ってからリマや北部の都市などで206人の症例が確認され、このうち4人が死亡したということです。ペルーでは18年に205例が確認されましたが、19年は発生数が多く、300例を超える可能性があるとの保健当局の見方を伝えています。当局はメディアを通じ、国民に衛生対策を呼びかけています。

集団的に発症しているという事は、ペルーにおいて、なんらかの「ギランバレー症候群の発症を誘発する感染症が流行している」と考えられます。原因が何かが特定できるまで、とりあえずとにかく「感染症に罹患しない」ために身辺の衛生管理に気を配るよう国は対策を講じたということでしょう。

ギランバレー症候群(GBS)はうつる(感染する)のか?

ギランバレー症候群が「感染症」によって発症するため、そして、ペルーで局地的にギランバレー症候群の患者が増加してしまったため、ネットで「うつるのか?」といった検索がされているのかなと思われますが、

「人から人へギランバレー症候群がうつる」のではなく、「その場所で流行っている感染症にかかってしまったことが原因でギランバレー症候群を発症する」というのが正しいです。

上記しましたが、今回ペルーでギランバレー症候群(GBS)が集団発生しているのはおそらく、なんらかの(ジカ熱?)、ギランバレー症候群を発症しやすい感染症がはびこっていて、それがギランバレー症候群の集団発生を誘発しているのではと考えられます。

ギランバレー症候群(GBS)の初期症状は?

ギラン・バレー症候群は「気づきにくい疾患」であるといわれています。軽症であれば、疾患に気づくことなく日常生活を過ごす方も少なくありません。

最初に手足にピリピリとしたしびれが生じてから疾患のピークにいたるまでは、だいたい一週間から10日ほどといわれています。最短で3〜4日、最長で3週間ほどといわれており、4週間を超えることは少ないでしょう。

症状のピークを過ぎると、徐々に回復に向かいます。治り方には個人差がありますが、ピークを過ぎると基本的には治癒の方向に向かいます。しかし、手足の筋肉が衰え、顔面神経が麻痺したり、呼吸困難などを引き起こし、最悪の場合命を脅かされることもあるため、軽視はもちろんできません!(死亡理由は、不整脈が最も多いようです。ほか、腸閉塞や人工呼吸器に関連した肺炎もあるようです)

脱力感が徐々に始まり、最初は日常の体の動きが少しずつ「だるく」「動作しにくい」といった始まりのため、特に軽症のケースだとギランバレー症候群を発症していることになかなか気付けないようです。

日常生活に不自由が生じて初めて病院を受診する方が大半であるため、疾患が判明した時にはけっこう進行していることはまれではありません。たとえば、受診した段階では、すでに筋力が通常の2分の1〜3分の1程度まで低下しているケースもあります。

ギランバレー症候群(GBS)の入院期間や治療方法は?治るのか?

ギラン・バレー症候群は治療を行わなくても自然に症状が軽くなる、予後(治療後の見通し)の良い病気と考えられていましたが、一部の方は重症で、適切な治療がされないと後遺症を残す方もいます。したがって、発症してからなるべく早く治療を開始する必要があります。

ギラン・バレー症候群が疑われる方は、急速に症状が進行する可能性もありますので、入院のうえで早急に検査・治療を行われるようです。

治療方法としては

血液浄化療法(血液から血球を除いた液体成分である血漿(けっしょう)を遠心分離器・半透膜などを用いて分離し、血漿中の有害物質を取り除いてから体内に戻す治療法)
免疫グロブリン大量静注療法(ヒト免疫グロブリンを5〜6時間ほどかけて点滴し、免疫のはたらきを調整する治療法)

などが選択されます。

どちらも血液浄化や点滴など、血管ルートを確保して行われる治療法であるため、入院の必要があります

入院期間は患者によってそれぞれ違うとは思われますが、上記の治療の後、症状が落ち着いた段階で、衰えた筋肉に対してリハビリも行われると思われます。

最初に手足にピリピリとしたしびれが生じてから疾患のピークにいたるまでだいたい一週間から10日ほど、最短で3〜4日・最長で3週間ほどといわれており、4週間を超えることは少ないと考えられているので、そのピーク時期を越えて無事に症状が落ち着いたら退院の話が出てくるのかなと思われます。(ほんと患者さんそれぞれに合った入院期間になるので、アバウトですみません)

無事に快方に向かった後は、ギラン・バレー症候群の再発は非常に少ないといわれています。一度治癒すると薬の服用などもなく、通常通りの生活を送る方が多いです。

疾患に罹患する以前のような社会生活を送るには、寝たきり程度まで進行した場合には、短くても3〜4か月程度を要するといわれています。長いケースであると、2〜3年を要すこともあります。

ギラン・バレー症候群の患者さんの7〜8割の方は、もとの筋力に戻ると考えられます。残りの2〜3割は筋力が低下したりわずかな手足のしびれが残ったりするケースもありますが、日常生活に影響を及ぼさないケースが大半です。

まとめ

今回は、ギランバレー症候群の原因や、うつるのか?、入院期間や治療法、初期症状などについて記事にしました。

症状の進み具合や、治療を開始するタイミングなどによって、完治までに要する期間も変わってくると思います。

もし「脱力がある?おかしいな」と思うことがありましたら、なるべく早く受診をして医師に相談することをお勧めします。