三つ子事件父親と両親の育児助けは?署名で裁判官判決に減刑求める!

2018年1月、自宅で生後11か月の3つ子のうち次男を床にたたきつけて死亡させるという、痛ましい事件が発生しました。

傷害致死の罪に問われた母親には、2019年3月15日の判決で、懲役6年の求刑に対し3年6か月の実刑が言い渡されました。

その求刑があまりに重すぎると、いま減刑を求める署名が続々と集まっています。

今回は『三つ子事件父親と両親の育児助けは?署名で裁判官判決に減刑求める!』と題しまして、この痛ましい事件について、そして三つ子の父親や母親の両親による手助け、あと犯人である母親の今現在について記事にしたいと思います。

愛知県豊田市の三つ子事件詳細

愛知県豊田市で、生後11か月の3つ子のうち次男に暴行を加えて死亡させたとして傷害致死の罪に問われた母親・松下園理被告(30)に対し、名古屋地方裁判所岡崎支部は「負担が大きい3つ子の育児を懸命に行ったことに同情はできるが、無抵抗の乳児をたたきつけた犯行は危険で悪質と言うほかない」として、懲役6年の求刑に対し3年6か月の実刑を言い渡しました。

裁判で松下被告は「泣き声が耐えられなかった」と話し、弁護士は「周囲の支援がなく重度のうつ病だった」として執行猶予のついた判決を求めていました。

一方、検察は「乳児が泣くのは当然で動機は身勝手だ」として懲役6年を求刑していました。

15日の判決で、名古屋地方裁判所岡崎支部の野村充裁判長は「無抵抗の乳児をたたきつけた犯行は危険で悪質と言うほかない。うつ病になる中、負担が大きい3つ子の育児を懸命に行ったことに同情はできるが、行政などの対応に被告の刑を軽くする事情は認められない」と指摘しました。

その上で、「犯行後、消防に通報し救命措置を行っているほか、事件を重く受け止め反省の態度を示していることを考慮しても、執行猶予をつけるほど軽い事案とは評価できない」と述べ、懲役3年6か月の実刑を言い渡しました。

NHK NEWS WEBより引用 

母親は不妊治療を経て三つ子を授かり、ほとんどワンオペ(一人育児)で頑張っていたようです。。。

3人合わせるとミルクだけでも日に24回、寝る暇もなく、睡眠時間は1時間。3人同時に泣かれるとどうしたらいいのかわからなくなってしまったとのこと。。。

他の2人よりも成長が遅かった次男が特に手がかかり、他の2人と同じように愛せない自分はひどい人間だと思うようになってしまったそうです。

行政に相談しようにも、まず支援を受ける窓口に、赤子を3人連れて出向くことができず、あきらめてしまったとか。。。。

寝不足、過労、孤独、無支援。それらが母親を追い詰め、最後は次男を畳に投げ落とす、という事態にまで発展してしまいました。

豊田三つ子事件育児に父親と両親の助けはなかったのか?

この事件に関する記事を読んでいて思ったのですが。

ご主人どこいった?じいじばあばはなにしてた?

これが非常に気になりました。いやだって。そんな極限の生活、絶対一人じゃ無理だから。

自宅には父・母(今回の犯人)・三つ子、の5人で住んでいたようです。

新聞記事を読むと「出産直後は里帰りしたが、飲食店経営の両親を頼ることができなかった」とありましたし、「半年間の育休を取得した夫の待つ自宅に戻ったが、おむつの取り換えに失敗したり、抱っこしたら子供が泣き、次第に頼らなくなった」とあったので、両親も夫もいるんやん!ってなりました。。。。

けれど、いるけれど、母親がほんとうに追い詰められているときに手助けできる位置にはどちらもいなかった、、、、ってことですよね。。。。事件当時も旦那さんは夜勤で不在だったようです。。。。

どうして、どうしてあともう少しだけ早く、周りに助けを求めなかったのか。。。。夫(父)は、両親は、母親がそこまで追い詰められていることに気づけなかったのでしょうか・・・・悔やまれます。。。。

残された2人の子供が、父親や両親のところではなく乳児院に預けられているそうです。これは、どういう判断だったのでしょうか。。。父親や両親には養育が難しいと判断されたのかなぁ。。。。。

やはり世の皆さんも同じように感じておられるわけで。。。。ここまで「育児は母親がするもの」だと世の中では当たり前に認識されてるんだなぁと、いまさらながらに痛感します。

裁判官判決に減刑・執行猶予を求める署名運動

この判決に対し、SNSでは現在、育児経験者を中心に減刑を求める擁護の声が上がっています。
オンライン署名サイトChange.orgでは、「母親が子育てしながら罪を償えるように」と、執行猶予を求めるキャンペーンも始まっているのです。


声を上げたのは直島さんという、45歳で3つ子を出産されたかた。3つ子育児がいかに大変かを知る直島さんが、執行猶予を求める署名活動を立ち上げられました。

このキャンペーンには21日午後7時現在で、2万2000以上が賛同しているそうです。もちろん反対意見もあり、それも含めていろんな意見を持ち寄って、皆で考えていくことがなにより大事、というスタンスで活動されているようです。

そして、22日深夜、一般社団法人日本多胎支援協会(通称:JAMBA)も署名活動に賛同し、3月24日より筆記による署名活動を開始する旨が発表されました。

三つ子事件の母親の今現在

そして今日3月22日。このようなメッセージが掲載されました。

発信元は、三つ子の赤ちゃんの母親です。

本日3月22日、保釈され、社会に出ることができました。

判決後、多くのみなさまが、みつご育児の大変さに共感して声をあげてくださったこと、減刑の署名をしてくださったことを弁護士の先生から聞きました。一人ではないと感じ、次男と残された二人の子どもたちへの思いや、孤独と絶望に押しつぶされそうな拘置所での生活の大きな心の支えになりました。本当にありがとうございました。

これから、判決前に通っていた心療内科でうつ病の治療を再開します。カウンセリング治療も再開し、次男への思いを含め、事件を起こしてしまったことを振り返っていきます。

判決直前に事件以来約1年ぶりに、子どもたちとの面会がかない、抱きしめることができました。子どもたちとの絆を一日も早く取り戻し、次の判決までの間、母親として、現在施設でお世話になっている子どもたちにできる限りのことをしたいので、さきほど児童相談所に面会を再開してもらえるようお願いしました。

毎日次男を思い出し、胸が張り裂けそうな思いです。次男の命を奪ったことは決して許されることではなく、私の命をかけても償いきれないことだと思いますが、これからの一生をかけて償なっていきたいと思っています。

そして、残る二人の子どもたちの母でもあることを考えると、一日も早く子どもたちとともに生活していきたいと思います。その際には、児童相談所にご指導いただき、また、家族、病院、カウンセラー、多胎支援や地域の方々など、多くのみなさまの助けを借りながら、しっかりと子どもたちに向き合っていくつもりです。

そこで、大変身勝手であるとは承知しながら、執行猶予判決を求めて、控訴させていただくことにしました。

本当にありがとうございました。

今現在は保釈され、いつか始まる残された2人の子供との生活にむけての準備と、控訴審にむけての準備にこれから入るようです。

ご両親は子育てをサポートすると裁判で証言されていたようですが、やはりここでも夫の姿がみえない。。。。なぜ。

保釈されてまた(残された)子供に再会できたことは親子関係において喜ばしいことです。

が。子育てをするにはまだあまりにも不安定だと思いますので、どうか無理にまた母の元へ子供たちを返すなんてことが起きないように、それがいま一番心配です。。。。。

三つ子事件について、私が思うこと。超個人的意見。暗いです

世のたくさんのママさんと同じく、私もこの事件を知ったとき「私もあちらがわに行ってた可能性は十分にあった」と思いました。たまたま、手を下すような事態にまでいかなかっただけで、可能性はずっとあった。

私も不妊治療を経て1人息子を授かりました。子を産むまで「赤子との生活がどんなものか」全然わかってなかった。

高齢出産に当たるので、体力は厳しいし、毎晩寝られないし(うちの息子は睡眠短いタイプ)、授乳はしんどいし、思考力はどんどん落ちてくるし、でも子育てを放り出すことはできない。許されない。

自分自身の重要性が、家の中のなによりも一番下になる。「私が何かを食べること」は、おむつかえよりも、授乳よりも、着替えさせよりも、寝かしつけよりも、下になる。「私」がこの世から消え去り「母の部分」しか残ってない被害妄想。

なにより「不妊治療までして欲しがった赤ちゃんの世話がしんどくていやだ、なんて、口に出してはいけない」という呪縛がありました。

離乳食やらハイハイのサポートやら、毎日毎日やらないといけないことはどんどん増えて、どんどん目が離せなくなって、いつのまにか「私なんか誰にも気づかれないうちに消えてなくなればいいのに」という思考になりました。

私の場合は子供に手を出す方向ではなく、自分の存在が綺麗にだれにもバレずに消えたらいいのにになりました。一時期、毎晩深夜にベランダにごみを出した後、そのまま手すりから下をのぞいて、落ちるイメージ描いてました。たぶんあの時期が一番きつかった。

それでもベランダにとどまったのは「私が管理しているネット銀行などのパスワードを、ちゃんと旦那に引き継げるようにしとかないといけないのに、まとめるのがめんどくさい」という理由でした。今考えたら呆れる。なにそれ。

「いつか、あの頃は大変やったけど一番かわいかったなーって思える日がくるよ」というセリフに「いま死にそうにしんどいのに、将来の話すんな」と内心逆切れしたこと数知れず。

そんなギリギリ状態を経て、私がたどり着いたのは「私は子育てに向いてない。少なくとも私は赤ちゃん嫌いだということを受け入れよう」ということでした。母性失格。でも息子に兄弟を作ってあげる気は失せました。私がもう一人産んだらきっと、確実にキャパオーバーして手を挙げてしまうかもしれないという、自分への不信感から私は目をそらさずに受け入れました。

今でも、旦那側の曽祖父に「うちは息子が一人です」といった時に受けた冷たい目を思い出します。おそらくその世代の人にとって子供の数は多ければ多いほど親として立派、という認識なのでしょう。でもそれでも、私は自分の命と、家族の命と、もし生まれるとしたら次の命を守るために、次の命を求めることを諦めました。

いま、私は幼稚園児の息子とよく遊び、楽しい時間をなるべく作るように育てています。周りからは「子育てに熱心でいい子に育ってるね」とほめてもらうことが多いです。でもほんとうは「兄弟を作ってあげる努力すら放棄した、母親失格の自分をごまかすために、せめて兄弟がいたらしてるであろう遊びを私が代わりにしなければ」という、罪悪感をごまかすためにやってるだけです。だからぜんぜんえらくない。

それでも、命と家族の平和には変えられないので、この罪悪感はこの先もずっと抱えながら、日々過ごしていくつもりです。長男の嫁だけど。ごめんなさい。息子を立派に育てることで許してくださいって思って生活してます。

この話をなぜしたかといいますと。これから子供を持つ人に「赤ちゃんがでてくる幸せなCMみたいな生活は嘘だよ」と知ってほしいから。

子供を育てるのは、あんなキラキラしたものじゃありません。うちの息子はたぶん、どちらかというと育てやすいほうの子ですが(引っ込み思案ですが他人に手を出したりはしない)、私はもう二度と赤ちゃん期に戻りたくない。よその赤ちゃんを見ても、昔は「かわいいねー」と思えた存在がいまは恐怖に映ります。しんどさを知ってるから。

こんなこと、面と向かって誰かには言えない(それこそ女失格みたいにみられる)ので、普段は口を閉ざしてますが、赤ちゃん怖い。

だからといって、全員が赤ちゃん嫌いなわけじゃなく、私みたいなダメな母親はきっと少数派だと思います。じゃないと、2人目3人目を考える人がいなくなっちゃう。自分の赤ちゃん抱っこしながら「この時期が一番幸せで~」って笑えるママさんを、心底リスペクトします。私にはそれが出来なかった。

しんどい赤ちゃん期を知ってるママさんたちはきっと、この事件の母親の苦労が想像できると思います。そのうえで事件のことを判断できると思う。けどもし、単なる「正義を振りかざした」意見としてこの事件を判断されることがあるならば、どうか母親の苦労を少しだけでも想像してあげてほしいと思います。

だからといって、母親全面擁護というわけではないのですが。(どっちやねん)

育児に追い詰められて最後このような形になってしまったのはほんとうにつらいし、同情の余地はあると思ってしまいますが。理解できないのが「なぜ父親(夫)に頼らなかったのか」

父親が半年間の育休をとったということは、少なくともそのとき夫は何らかの形で育児もしくは家事に自分も参加せねばという意識があったはずです。

よほど、たとえばDV気質のある、問題ありの旦那さんとかでない限り、少なくとも一緒に子をなそうと考える相手であったはずの父親。どうして「もっともっと助けて」と言えなかったのか。。。。

文面からしか察することができませんが「おむつ替えに失敗した」「子供を抱くと泣く」からだんだん頼らなくなった。。。。父親なんてそんなん、当たり前です。。。。

よく「産んだら急にママになれるわけじゃない!」と怒ってるコメントを拝見します。その意見ごもっとも!といつも思いますが、同時に「パパも急になれるわけじゃない!」ってのはあまり見ない。パパ業が下手でもあまり擁護されない、ってかむしろ「イライラする」とか「頼るのやめた」とかいうコメントが続くことが多いです。。。。

それを見るにつけ「なんで!?」と思うのです。いや、うちの旦那もひどかったですよ?最初は喧嘩だらけでしたよ。

でも、旦那をなんとか「子供の世話は自分に関係ないことじゃないんだ」という風に調教しました。

「子育てだけでもしんどいのに、なんで旦那の教育までせなあかんの?」的なご意見もあろうかと思います。でもね、違うんです。旦那の教育のために頑張るんじゃないんです。自分が死なないために旦那を利用するんです。子供に手を挙げてしまうまでいかないように旦那を使うんです。

旦那に「察してちゃん」は通用しません。「しんどい私を見て!自分で考えて動いて!」は諦めてください。私は早々に諦めた。

プライドもなにもかもかなぐり捨てて、旦那のことを褒めて動かし、脅して動かし、泣いて動かし、最後は褒める。すべては自分のために。私はたぶん、2枚舌になってました。でもおかげで、なんとか越えてはいけない一線を越えることなく、家族として機能していました。

ひとりで子育てなんてできません。助けは多いほどいいです。この事件の母親が、どういう状況に立たされていたのかはわかりませんし、父親が夜勤中の事件と報道されていたので、実際頼れないことも多々あったのでしょう。それでも、おむつがえ失敗しても、ぎゃんぎゃん泣いても、それでもほんのすこしでも頼れる心の関係を作っていられたら、もしかしたらこんなことが起こる前に何かしら手を打てたかもしれない、、と思うと、それが残念でなりません。。。

まとめ

実際3つ子を育てたことのない私が多くを語っても・・・・という考えもありましたが、子育てのつらさを少しでも未体験のひとに伝えられることが出来たらうれしいです。少しでも子育てしやすい世界になっていきますように。