セファゾリン供給停止なぜ?代替の抗菌薬と今後の影響!再開はいつ?

セファゾリン供給停止なぜ?代替の抗菌薬と今後の影響!再開はいつ?

今日の朝日新聞デジタルの記事を見て、びっくりしました。

「抗菌薬セファゾリン供給停止 手術に影響、病院悲鳴」

え!確か、私が前いた病院でセファゾリンめっちゃ使ってたで!?

現場の皆さんの反応をツイッターで見てみても、セファゾリンを手術時の感染予防の第一選択薬として使用されているところが多く、かなりの混乱が生じているようです。

今回は『セファゾリンの供給停止なぜ?代替の抗菌薬と今後の影響は?再開はいつ?』について記事にしたいと思います。

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日医工抗菌薬・セファゾリンとは

まずは、セファゾリンの説明を。

セファゾリン

セフェム系・第一世代の抗菌薬。

発売が古く、現在に至るまでに豊富な使用経験エビデンスがあり、かつ安全性も高く安価な薬剤であるため頻用されています。

手術や処置の際に問題となる細菌(黄色ブドウ球菌など)に有効であるため、この菌に対しては優先的に、第一選択薬として使用されています。

特にセファゾリンが優れている点に「対象となる菌が狭域である」ことが挙げられます。昨今特に懸念視されている”耐性菌”の発生を少しでも抑えるためにも、本来やみくもに広域に効果のある抗菌薬を使うのは避けるべきであり、対象菌が絞られているセファゾリンが第一選択薬として現場で広く使われるようになりました。

日医工の抗菌薬セファゾリンナトリウムは現在国内シェアの約6割を占めているため、その日医工からの供給が突如完全にストップするという非常事態に、現場で混乱が起こってしまっているのです。

セファゾリンは、世界保健機関(WHO)が必要不可欠な医薬品に挙げる薬の一つであり、第一選択薬として非常に頼りにされていたことが今回仇となり、皆さん対応に右往左往されるという結果になってしまっています。

日医工抗菌薬セファゾリンが供給停止した理由

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今回の突然のセファゾリン供給停止について、日医工によると、

昨年末ごろより、イタリアから⼊⼿した原薬に不溶性異物が混⼊した原薬ロットが増加し、1⽉以降使⽤できない原薬ロットが急激に増えました。そのため本剤を製造することができず品切れをきたしました。

原薬への不溶性異物混⼊の原因として、原薬を製造する製造設備由来および資材の⼀部(が混入した)と考えています。
日医工/2019年3⽉25⽇現在の状況

とのことでした。

安定供給のため、原薬の入手先を2ソース化していたそうなのですが、その2ソースがどちらもイタリアだったという。もちろん別ルートでしょうけれども、なんかモヤっとする。

抗菌薬セファゾリンが供給停止による影響は?

抗菌薬セファゾリンが供給停止による影響・・・。正直めちゃ大きいと思います(汗)。

セファゾリンの主要な使用方法は外科的予防投与、つまり「術後感染予防」のための第一選択薬としての役割です。中枢神経系の感染症でなければ「メチシリン感受性ブドウ球菌(MSSA)」の治療の第一選択薬としても位置付けられています。

狭域で安全性が高く、エビデンスもあり安価で使いやすいセファゾリンは手術時の感染予防などに、現在頻用されていますので、いきなり代替品に移行するようにとの指示が出たとしても、例えば「手術時のセット処方」などであらかじめオーダーが組まれている場合、逐一対応しなおさなければなりません。

手術の種類や治療する病気の種類別に代替薬を考えなければならず、医療者側の負担増は火を見るよりも明らかです。。。

また、セファゾリンよりも対象菌が多い抗菌薬を代替薬として使用した場合、余計な耐性菌発生の可能性を上げてしまいかねません。

事実、Twitterでもたくさんの混乱の声が飛び交っていました。

抗菌薬セファゾリンの代替薬

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今回のセファゾリンの供給停止に対し「AMR臨床リファレンスセンター(国立国際医療研究センター内にある薬剤耐性(Antimicrobial resistance = AMR)対策部門)」の協力のもと、代替薬リストが作成されました!

今後の対応と供給再開はいつ?

残念ながら、3月25日現在の日医工の返答では

(本剤の供給再開については)原薬メーカーとあらゆるシナリオで対応しています。供給再開のめどが⽴ちましたら、ご案内いたします。

とのことで、 まだ目処はたっていないようです。

ちなみに昔、「注射用メソトレキセート5mg」が2008年10月に異物混入が原因で供給停止された際は、翌年12月にオーダー再開されたという経緯がありました。

今回の異物混入の原因が、日医工側の予測通り”製造設備由来および資材の⼀部”からのものだったとして、設備メンテナンスのち原薬製剤再開に至るまで、まだしばらくの時間を要するであろうと考えられます。。。。

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まとめ

現場では混乱の中、代替薬の在庫不安もあろうかと思われます。上記AMR臨床リファレンスセンターのツイート内の代替薬一覧を参考にされつつ、少しでもはやくセファゾリンの安定供給の目処がたちますようにと祈らずにはいられません。